収差いやぁああ!!
このところ、星の写真ばかり撮影しています。
天の川、アンドロメダ銀河、オリオン大星雲、スバル星団・・・
お空にはたくさんの星や銀河がひしめいています。
かわずの夢は、テントでコーヒーを楽しみながら星空撮影をすることなのです。
星の写真はカメラの中でも特殊で深すぎる沼があります。
現在のかわずの装備
1.NikonD300 ⇒ 一線を退いたが、数年前撮影したアンドロメダを越えられない。
感度は3200まで。古いから仕方がない。
2.CanonEOS6D ⇒ 人生初のフルサイズカメラ。感度も25600まで上げられる。
3.CanonEOSX2IR ⇒ ローパスフィルターを除去した星空向け改造機種。
感度は1600まで。低い。あまり出番がない。
4.Tamron150-600(A011) ⇒ 最近のレンズなのでデジカメとの相性がよい
しっかりセットできればよい写真が撮影できる。
しかし重い。赤道儀とボール雲台に負担大!
5.AutoNikkor200mmf4 ⇒ 最近一番使うレンズ。軽くて収差も少ない。
1960年代のレンズとは思えない描写のよさ
6.SIGMA400mmf5.6(ナトーグリーン) ⇒ 5.に味を占めてオクで購入。失敗
7.Tokina19-35f3.5-5.6 ⇒ ただ広いだけのレンズ。天の川を撮るのに重宝している
8.KENKO SkymemoS ⇒ 赤道儀。これがないと何もできない。
いろいろと古い装備でとっかえひっかえ楽しんで撮影しています。
最近はNikkor200mmf4とTokina19-36をアダプターを介して6Dに取り付けて撮ることが多い気がします。
さて星の写真は奥が深いのです。
天の川が撮れればいいなー(空と季節の条件を知る。必要な焦点距離が分かる)
↓
感度を落としてノイズを少なくしたい(高感度に強いカメラがほしくなる)
↓
赤道儀を手に入れる(頑丈な三脚とレリーズがほしくなる)
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赤道儀で銀河などが撮影できることを知る(望遠レンズがほしくなる、光害を嫌がる)
↓
銀河の画像処理を試し始める(加算平均、ダーク減算、フラット処理)←イマココ
その後、望遠鏡や自動導入、冷却CCD(CMOS)やスタック処理、ステライメージ導入へと沈んでいくのですが、何とか沈みたくないものです。
さて、ここまでが前置きです。
抜けがよいレンズとは何でしょうか?理想のレンズがあるとするなら、あらゆるピント面、焦点距離、絞り値のときに全ての収差が0になるものだと考えています。
もちろんそんなレンズは存在しません。色収差やコマ収差、非点収差などレンズ(カメラ)にはたくさんの収差があります。
収差とは被写体から発せられた光がレンズを通って撮像面(センサーやフィルム面)にあたるとき像が正しく撮像面に結像しないことです。
色収差を例にとると光がレンズを通過する際の3原色であるRGBに分解されます。
赤色が特に分解されるレンズがあったとします。それを補正せずレンズ設計をした場合は赤色に近い色のフリンジが発生します。考え方は緑と青色は撮像面で結像していますが赤色は分解されてちょうどピンボケのようになるためそのように描写されます。
厳密には違いますが。ピントを合わせた写真とわずかにピントをずらした写真を赤色に変化させたレイヤーを作成し重ねると赤い輪郭のようなものが像の周りに出で来ると思います。これがおおよその色収差です。ほかにもいろいろな収差がありますが、レンズの性質、組み立て公差、カメラとレンズの取り付け公差、熱膨張、色そのものに含まれる波長の違いなどなど神経質になれ間なるほど頭がおかしくなりそうです。
今回短焦点で400mmということとf5.6という明るさのため、SIGMAの古いレンズを購入しましたが、色収差が激しく星の撮影では使い物にならないことがわかりました。古いレンズ(たぶん1980年代前半のものだと思いますが・・・)だからしかもAPOレンズではないのでレンズに非はないのです。次は短焦点のAPOレンズがほしいなあとゆっくりと沼に沈んでいくかわずでした。
ちなみに
アクロマートレンズとは3原色のうち2色の収差を補正しているレンズ
APOレンズとは3色全ての収差を補正しているレンズ
メーカーによってどの程度まで補正しているものをAPOと定義しているかはわかりませんが、とにかくAPOがほしい!APOがほしいのだ。
収差ゼロのレンズとノイズゼロのカメラと無限の強度を持つ三脚と無限の強度を持つ撮影地盤と光害0、大気の揺らぎ0の場所があればなぁ。宇宙で星を撮影したい・・・