タニシとカワズの田んぼ生活

とろとろタニシとかわかわカワズの不思議な日常

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2023/07/07 動画の早回しの是非について考える貝

たにしです。

5日くらいかかって、オーディブルがようやく聞き終わりました。

この本を選んだのは、タイトルを見て岡田斗司夫さんを思い出したからです。

どの動画だったかでそんなことを言及していたと思うのですが、失念。

あとは私が動画で倍速や飛ばしをやるから、ですね。

他人の視点から、何故そんなことをしてしまうのか?人からはどう見えているのか?が知りたかったのですが、令和の闇を垣間見てしまった、そんな本でした。

 

映画を倍速で見る人は何でそんなことをするのか?っていう疑問に対し、時間も金も精神的な余裕もないからっていう見解が語られていました。

現代の若者は、とにかくお金がない。

だからバイトするけど、そうしたら時間もない。

でもSNSに対するレスポンスは社会生活の中で欠かせないので削れない。

友達との付き合いで話題作を知らなければ会話についていけないし、グループでの役割がなくなる。

故に短時間で見るために効率重視で倍速視聴、とばし視聴をする。

 

何それ辛い。

作品鑑賞の時間とは、無駄な時間ですが、心にゆとりをもたらすもんじゃないのかと声を大にしたいのですが、現代はそうではないようです。

何が辛いって人との話題作りのために見てるということ。それって楽しいのかなぁと。

本の中でも語られてましたが、「え、何その作品。知らない〜教えて〜、では済まない」そうです。

え、今の若者の社会は、知らない、見てみるねが通用しないの? 怖っ!

 

また、社会に個性を求められるため、手っ取り早い個性であるアニメオタクになりたがる傾向があるとのこと。

オタクは個性的であることは分かりますが、金かかる趣味だからおすすめはしないですけどね。(ヘタリアにいくら使ったか……)

ここで気になるのは、手っ取り早くということ。

つまり、オタクっていうバッヂが欲しいんですよね。それがあればりっぱな個性。

……個性ってなんだっけ?

自分になにか夢中になれるくらい好きってものがあって、突き詰めていけばそれは自然に個性になるのではないかと思うのですが、現代の若者はそれすら「もっとすごい人がいるから」と途中で諦める節があるように感じました。

他人の趣味は否定しないけど、自分の好きが分からないってのはつらいなぁと思います。

オタクってのは本当に自分の好きなものを追求していった人たちですから、そうなりたいけど時間がない、だから個性がないって、何だこの闇。

 

また、忙しいゆえに感情を消費したくない、だから安心感のある作品を好むということも語られていました。(なろう系とかネタバレを見てから見るとか)

この辺は、小説は感情が疲れるから読みたくないっていうたにしもわからなくはないです。

現代人、感情を揺さぶられるのも嫌なくらい疲れてるんだなと思いました。

もうみんな山登ろうぜ!!(唐突の登山推し)

 

本を読んでいると、別に早送り視聴を批判したいわけではないようです。

確かに映画やアニメなどの映像作品は間を大事にしているので、早送りに否定的になります。

一方で講義動画などでは、現代の若者は倍速にしてもその情報を脳で処理できるという進化の側面も書かれていました。

たしかにな……たにしも講義動画は倍速視聴です。時間もったいないのとまどろっこしいから。でもアニメはOPED以外は飛ばさないかな……見たいものしか見てないし。

 

読んでみて。

この本は、批判のために書かれたのではなく、世の中に議題として定義するために書かれたとあとがきに記されていました。

話し合いを求められるのであれば、私から言いたいのは、自分が心から好きなものがあればそれはもう個性だと思うので、自分が心から楽しいと思うことをつきつめてやってくださいと言いたいです。

倍速視聴については講義動画は肯定、映像作品は否定です。特にプロの作ったものはその意図があるはずなので、それを読み解いていくのもまた、楽しみだと思うからです。講義動画についてはあれです、勉強は効率よくしましょうということで。

本の中で、作品からコンテンツ、鑑賞から消費という言葉が度々出てきました。

これは映画などの映像作品がただ消費されるコンテンツになりつつあるということ。

これは受け取り手である自分たちも、作られたものに対して敬意を払って見ていきたいと思いました。

 

ちなみに最近のたにしのお気に入りは、【推しの子】と夜は猫といっしょです。

夜猫は猫がヌルヌル動くので、猫愛詰まってんなぁと見ててほっこりします。